2011年12月4日日曜日

ヤングビル


久々の渋ビル研究会を開催しました。前回の活動からちょっとサボりすぎましたね…。

場所は矢場町周辺。名古屋繁華街ど真ん中です。普段違う雰囲気で、若干通りすがりの人目を気にしての研究会と相成りました。2人でビルの写真を撮りまくっていると、みんながそのビルをしげしげと見る。渋ビルが注目されて嬉しいような、夢中になってる我々を見られて恥ずかしいような、そんな複雑な気分。ちょっと反省しました。

今回のお目当てはヤングビル。一階は新しそうなたこ焼きやさんですが、元々「ヤング軒」と名前が付けられる何があったのか気になるところではあります。
このビルを渋ビルとするかどうかはかなり悩ましい部分もありますが、以前から気になっていたので取材敢行。

まずはヤング軒の看板文字にも負けていないファサードデザインが目に飛び込んできます。角丸タイプのバルコニーデザインに丸開口の組み合わせ。角丸のコーナー部分と水玉柄が相まって、ギラギラとした派手な印象を与えます。
間口が非常に狭いビルですが、両端の角丸が途中で切られたデザインを施されているので、その切られた先を予感させ実際以上の幅を演出しているように見えます。途中で切られたようなデザインでなければ、きっともっとこじんまりとした控え目な印象になっているかと思います。


両袖壁は小口が斜めになっていて、真ん中の角丸バルコニーをうまく受けつつその水平方向への広がり感を止めることなく横に流してます。5階建てのビルだと垂直方向への伸びだけになりやすいですが、それだけではない、小技を効かせていますね。


…と、ファサードデザインに関心しているのも束の間。本当はこのビルの裏側がすごかった…。

これって、減築と呼んでいいんでしょうか。



あまりにダイナミックな切り方で唖然。渋ビル研究の趣旨と外れるのであまり特筆はできませんが、繁華街にある渋ビルの裏側は予想もつかない状態になっているようです。


(う)


場所:名古屋市中区栄
構造:RC造
規模:5階建て



2011年7月26日火曜日

神田ビル

相方が一日に二回も頑張ってアップしてくれたので、私も負けじと!

今回は19号線沿い、小川交差点よりやや北に位置する神田ビルです。このビルも車で通り過ぎる度に気になっていました。角地に立つ三階建ての程良いサイズの渋ビルです。



何と言っても、特徴的なのがこの角丸な庇。ほぼスクエアな引違い窓の上にすっぽりのっかっています。正面、側面共にこのデザインで統一されています。

写真ではわかりにくいですが、このモザイクタイルは貝殻の内側に見える虹色の真珠層みたいに螺鈿な美しさを持ってます!自然光の移り変わりによって実にきれいに、キラキラと輝いてます!地味に乙女心をくすぐる渋ビル。



キラキラとした上層部をキリリと支える正面の一階部分は落ち着いた色のタイルの組み合わせ。




そして、南側の道路に廻り込むと通りからは見えなかった階段が現れました。
階段室部分のボリュームは他の部分と切り離された垂直性を意識したデザイン!パラペットの上より高く伸びる袖壁が印象的です。
入口は角丸な庇がくるかと思いきや!庇両端が細長いサンドイッチを彷彿させるデザイン。意外すぎます。


単調になりがちなビルデザインにアクセントを付ける階段まわりも要チェックですね。



(う)

場所:名古屋市東区泉
構造:RC造
規模:3階建て
築年:1970年

2011年7月17日日曜日

近江屋ビル

なんと、本日2度目の投稿。

第3回名古屋渋ビル研究会を高岳〜車道にて開催しました。
界隈はかなり渋ビルが多く、オーソドックスなものから個性的なものまでよりどりみどり!

まずは大型のこちらの物件から。

幾何学な感じのパネルで装飾された壁面に、謎の塔。


全景。

このような、外壁に幾何学なパネルが貼付けられたビルはけっこう見かけます。
流行だったんでしょうか。
板チョコっぽいので、このシリーズはこれから板チョコと呼びます。

そして、ビルの左側面に気になるでっぱり。


全体的に屋上部分のパーツが曲線を描いた不思議テイスト。
そこはかとなく60年代を感じさせます。


ちなみにお隣はニュー近江屋ビル。
こちらもやっぱり板チョコです(笑)

この板チョコブームの火付け役を知りたいところです。

(り)

場所:名古屋市東区泉
構造:RC造
規模:7階建て

高辻のプチビル

すみません、建物名が分かりませんでした。

空港線から1本中に入った道沿いに佇むビル。
空港線からも見えます。


角丸の縁取りが特徴的な、コンパクトにまとまったとてもカワイイ渋ビルです。
渋カワイイ、このビルのための言葉でしょう。


屋上にあるペントハウス的なパーツにも目を奪われます。

では、右側に回り込んでみます。



角部分にだけタイルがあしらわれています。
そして、にょきっと飛び出たV字切り込み入りベランダがとてもキッチュでかわいい!


角丸内側の連続窓の壁は垂直ではなく、すこし斜めになっているあたり、スパイスが効いています。
青緑の階段もオシャレです。


こうゆう角っこに建っているコンパクトなビルは、いい渋さを醸している物件が多いので要チェックですね。


(り)

場所:名古屋市昭和区円上町
構造:RC造
規模:3階建て

2011年6月12日日曜日

回生堂ビル



















久々の渋ビル更新です。サボってごめんなさい。
本日第2回目の渋ビル研究会活動を行って参りました。
堀田駅から名古屋高速に沿って北上。鶴舞手前までの気になる渋ビルを撮影したり愛でたり褒めたりしてきました。

ずーっと気になっていた、このビル!回生堂ビル!ようやく撮影することができました。
まずは、右から左から距離をとりつつ眺めてみます。

八角形の窓が印象的で、車で通り沿いを走っていてもかなり目を引きます。





















八角形の窓にセンターをずらした絶妙な位置にサッシの方立てが入っていますね。枠に取手のようなものがついていましたが、これは消防でしょうか?どなたかご存知でしたら教えて下さい。
機能的に必要なものなのでしょうが、意匠的にもいいアクセントになっています。

また、回生堂のやや右肩上がりなフォントやビル正面にあるケヤキのグリーンが良く合うタイル色にも注目です。





















八角形の窓だけに気を捕らわれていましたが、実は他にも渋ビル度を上げる要素たくさん。
一階の両袖部分には縦方向に馬積みしたガラスブロック。
表側をふかして台形に整えたシャッター間の壁。
そして、両側の袖壁中央にスリット。建物に陰影が増えると同時に、より縦方向への伸びやかさをシャープに表現しています。コンクリートに残る型枠あとも味わい深いですね。



















そして、ビル右側の増築したと思われる建物のせいで陰を潜めていますが、
通用口上部につけられたアゴ型のちょろ庇!(他のビルでもこの形状を多数見つけたので「アゴ」と呼んでます)





















最後に、無理に捻じ込んだと思われる郵便受け。レトロなインターホンとのセットがたまりません。


見た目のインパクト以上に、小技が潜んだ秀逸な渋ビルでした。
廃ビルになっているのが本当に惜しい…。


(う)


場所:名古屋市瑞穂区堀田通
構造:RC造
規模:3F建て

2011年5月15日日曜日

中産連ビル本館



白いフレームの小窓がランダムに配された、大変オシャレなビルです。

2F部分はドーンと出っ張っていて実にダイナミックです。



タイルの貼り方をよくよく見ると、縦横混ざっているんです。
さりげない主張です。



場所は今話題の名古屋清水口、美宝堂の近くでございます。

(り)


場所:名古屋市東区白壁
構造:RC造
規模:3F建て?



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2011年4月13日水曜日

東海廣告ビル























渋ビル二つ目のご紹介は「東海廣告ビル」 です。

メインファサードは渋ビル王道の連窓、鶴舞方向からのアイストップになる隅切面はウマ貼の大判タイル一色、あと一面はポツ窓。と三面相をもったなかなか欲張りな渋ビルです。





















そして、気になるコーナー部に近づくとタイル目地が合ってません!大胆!
周辺のビルに比べると一見、地味に佇んでいますが細やかなお茶目さも実は持ち合せてます。
渋さとともにかわいらしさも感じてしまう渋ビルの魅力はこの辺でしょうか。
年季の入った看板もビルとの相性が抜群ですね。







タイルにすっかり馴染んだ渋色のポストもたまりません。

屋上にちらりと覗く赤い鳥居も実は気になってます…。

(う)


場所:名古屋市中区千代田3丁目
構造:RC造
規模:5F建て



2011年4月12日火曜日

エムエストーカイビル


水平連続窓にタイルのしましまタイプは渋ビルの基本です。
このビルはコーナーサッシの開放感もあってなお良い感じ。

さらに注目すべきはサイドとトップをぐるっと囲むコンクリートの縁取り部分。
トップの部分なんか、隙間を空けちゃったりしてとても小粋な感じです。

シンプルながらもキラリと小技が光るダンディーなビルです。

(り)




場所:名古屋市中区千代田3丁目
構造:RC造
規模:3F建て


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2011年4月10日日曜日

誕生!名古屋渋ビル研究会!

構想から約半年?寺嶋梨里と謡口志保による渋ビル研究会がついに誕生しました!

「月刊ビル」に刺激された渋モノ好きな2人が、名古屋にもたくさん存在する渋ビルを発掘していく会です。
月一ペースで街歩きをして活動内容をゆるーくアップしていきます。